診察案内
一般外科 General surgery
当科では整形外科、泌尿器外科、消化器外科以外の手術対応を行なっています。呼吸器外科、生殖器外科、腫瘍外科、形成外科など、ジャンルにとらわれず行なっていますが、一部の特殊な眼の手術(白内障など)、心臓外科、脳外科などは対応しておりません。「手術が必要そうだけど、本当に必要なのかな?」「薬でなかなか病気が治らないのだけど、手術という選択肢はないのかかな?」「手術について相談したいのだけど、どの診療科を受信すれば良いのか分からない」といった心配や疑問がありましたら、まずは当科へお気軽にご相談にいらしていただければと思います。
当院で実施可能な手術
試験開胸/肺葉切除/胸腺腫切除/心膜切除/横隔膜ヘルニア整復/心膜腹膜横隔膜ヘルニア整復/食道裂孔ヘルニア整復/臍ヘルニア整復/鼠径ヘルニア整復/腹壁ヘルニア整復/胸壁腫瘤摘出/漏斗胸整復/外傷整復/皮膚形成/会陰ヘルニア整復/肛門嚢切除/脾臓摘出/断尾/断指/断脚/椎間板ヘルニア(片側椎弓切除、ベントラルスロット)/脊髄腫瘤摘出/子宮卵巣摘出/精巣摘出/停留精巣摘出/前立腺膿瘍整復/前立腺摘出/膣腫瘤摘出/膣全摘出/乳腺腫瘍摘出(部分〜片側全摘/皮膚腫瘍摘出/眼球摘出/眼瞼腫瘤切除/耳道切除/鼓室包切開/耳血腫整復/耳介切除/唾液腺切除/甲状腺摘出/上皮小体摘出/外鼻孔形成/軟口蓋過長整復/一時気管切開/永久気管切開 など
手術適応となる主な病気
肺腫瘍
肺にできる腫瘍で悪性のもの(がん)が多いです。手術で肺の一部を切除して治療する場合があります。
心嚢水/心膜液の貯留
腎臓の周りの膜(心膜)のすきまに水や血液が溜まって心臓を圧迫し、心臓の動きが悪くなる病気です。心膜の一部を切除して穴を開けて水が貯まらなくなるようにする手術を行うことがあります。
横隔膜ヘルニア
胸の中とお腹の中を隔てる横隔膜に穴が空くことで、お腹の中の臓器が胸の中に移動してしまう病気です。それによって呼吸が苦しくなったりします。手術で臓器をお腹の中に戻し、横隔膜の穴をふさぐことで治療します。
漏斗胸
胸の肋骨を支えている胸骨という骨が内側へ落ちくぼんでしまう病気です。それによって呼吸が苦しくなったりします。手術で頬骨の窪みを矯正することで治療します。
会陰ヘルニア
おしりの脇の筋肉が弱くなり、腸が緩んで便が出しづらくなったりする病気です。高齢の去勢をしていない雄犬に多い病気です。手術によって筋肉部を補強して腸の緩みを改善することで治療します。
椎間板ヘルニア
背骨の隙間にある椎間板というクッションがずれてしまい脊髄を圧迫する病気です。圧迫が重度だと肢などが麻痺します。手術で背骨を削って穴をあけ、神経の圧迫を取り除く治療が適応になります。診断には通常、MRI検査が必要です。
乳腺腫瘍
いわゆる乳がんです。犬は良性のものも多いですが、猫は悪性が多いです。手術によって摘出しますが、病状によっては乳腺全体を切除するような手術を行うこともあります。
外耳炎
外耳炎は耳の穴の中が炎症を起こす病気です。さまざまな原因がありますが、多くの場合は耳の洗浄や薬によって治療されます。しかし、治りが悪く長引く(慢性外耳炎)と、薬などでは治療が難しくなり、手術で耳の通り道を切除して治療することがあります。
短頭種閉塞性気道症候群
短頭種犬(ブルドッグやパグなどの鼻が短い犬種)は、鼻からのどにかけての空気の通り道が狭く、呼吸が苦しくなりやすいです。こうした短頭種犬特有の呼吸の問題を短頭種閉塞性気道症候群と言います。若いうちは元気に過ごせることが多いですが、この病気は時間と共に徐々に進行していきます。完全に治すことはできませんが、手術による矯正で病状を軽くし、進行を穏やかにすることができます。